桜色の海に恋は沈みて

物思いに耽ることは海に潜ることに似ている気がする

自殺未遂した友人に何も言わない僕

「自殺を図った友人に何も言わない僕」

 僕の友人が自殺を図ったことがあった。自宅で首を吊って意識不明だと発見した別の友人が代わりにツイートしていて知った。

 自殺を図った友人のアカウント、そして知らせた友人のツイート宛てにたくさんのリプライがついた。

 あまりに気味が悪くて、僕は画面を睨み付けたまま電源を落とした。

 送られたコメントは大きく分けて3パターンあった。

 1つ目は心配する声。どうか生きていて。死なないで。元気になって。

 2つ目は自責の念。私に何かできなかったのだろうか。どうして助けられなかったのか。

 そして3つ目は怒り。死のうとするなんて。なんでそんなことするんだ。自殺なんて許さない。

 自分のことしか考えていないんだな、と呆れてしまった。

 心配するっていったって、自殺するまで何も気づけなかったくせに。

 自分を責めて見せて、そうやって許されたいだけでしょ?

 怒りをぶつけたところであなたが責められたくないだけでしょ?

 自分を正当化することしか考えられない人々に辟易した。

 どこが相手のためだ。エゴに気づけよ。

 そう吐き捨てた。

 僕は何も送らなかった。

 友人は数日後、意識を取り戻した。

 僕は友人が2度とTwitterを開かないことを願った。

 こんな地獄、見ないで欲しい。